包丁の研ぎ方って知っていますか?
近頃の一般家庭では、
「砥石を使って包丁を研ぐ」ことをしなくなっているのではないでしょうか?
ということで、包丁の研ぎ方をお教えします。
①砥石を水に浸す
砥石全体を20分程度水に浸して、砥石に水分を含ませます。
十分に水を含んでいないと、研ぐ際に刃こぼれすることがあります。
②砥石を固定する
平らな場所に濡れたタオルなどを敷き、砥石を固定します。
最近は、裏面にゴムの滑り止めが付いたタイプもあるので便利です。
③包丁を持って構える
刃先を手前に向け、包丁を握っている手の親指で包丁を押さえ、
反対の手も軽く包丁に添えます。
④砥石と刃の角度を15度に保って研ぐ
向こう側へ滑らす時に軽く力を入れ、手前に引く時に力を抜きます。
刃先に重点を置いて研ぎます。この作業を繰り返す。
※この時、砥石に水を掛け過ぎてはいけません
包丁を研いでいると泥(研ぎ汁)のようなものがでてきます。
砥石の粒子と、水分が混ざった泥で包丁を研ぐので、
洗い流さず泥の上に水を少し加えながら研ぎます。
⑤刃返りができるまで研ぐ
刃先に指を当ててみるとわかりますが、うまく研げていれば刃先に「刃返り」ができます。
刃先を爪に当てて、キュッと止まるようであればOK。
⑥刃返りをとる
刃の裏を砥石に当て、2、3回研ぎます。
【研ぐときのコツ】
・砥石を当てる角度を一定(15度)に保つ。
・研ぐ時に、無理に力を入れない。
・砥石は使いこむと真ん中がへこんでくるので、定期的に「面直し砥石」で平坦にする。
(研ぐ前に毎回粗めのサンドペーパーで表面を荒すとよい)
ビシビシに切れる包丁で料理したら、ものすご気持ちいいです。
何でもスパスパ切れちゃうので、楽しくなっちゃいます。
くれぐれも手を切らないように、ご用心。
包丁を研ぎながら、ふと、思い出しました。
大学時代に居酒屋で料理修行をしていた時、
元プロボクサーで、
超コワモテなお店のマスターに
「オイyo!君、俺の包丁研いどいてな!」
と
毎日、毎日言われました。
当時は、
「なんで毎日包丁研ぐ必要があるんやろか?
切れにくくなったら、研いだらイイやん」
と思ったものです。
マスターは、主にお造りを担当されていたので、
包丁の切れ味が甘い部分があると、
「ここが、ちゃんと研げとらん」
と、厳しく指摘されました。
そういう時は、閉店後に板前さんと一緒に、反省会をし、
ビシビシに研いだ包丁で、野菜の創作料理を作った記憶があります。
(キュウリで、松・竹・梅などなど…)
当時マスターが
「包丁は毎日研ぎなさい」と仰った理由が、今になって分かる気がします。
例えば、毎日フィールドに通っていると、
ちょっとした変化にも、敏感に反応することができます。
つまり、毎日切磋琢磨することで、
自然に
「研ぎ澄まされた感性」を身につけることができるのです。
逆に、怠けるとすぐに錆びついてしまい、再生が困難なのも事実。
研ぎ澄まされた・・・
コレだけは、絶対誰にも負けないっ!!
そういうモノを何か一つでも、持っていたいと思います。
そのためには、
毎日の切磋琢磨が必須。
コワモテのマスターは、色んなコトを教えてくれました。
↓今じゃ、こんな感じ
今でも、たまに会いに行きます。